ポップコーンと
子供の頃から「ポップコーンにはコーラが合う」と、自分の中では当たり前の事として思っていた。
映画を観に行って、売店で買うのはだいたいポップコーンとコーラだったし、アルミの簡易フライパン付きの、自分で火にかけて作るポップコーンを食べるときも、やっぱりコーラだった。コーラがないときは百歩譲ってサイダーという感じで、炭酸系のドリンクがぴったりだと思っていた。
二十歳前、大好きな俳優である松田優作の映画を観に行った。その前に公開されていた「遊戯シリーズ」と、新作である「ヨコハマBJブルース」という映画の4本立て。その時ももちろん、売店で求めたのはポップコーンとコーラだった。長丁場でむずむずするお尻の位置を直しながら、まず前作の3本。あらためてポップコーンとコーラを買って、新作を観た。
その中で、主人公である優作が、旧友と公園で話すシーンがあり、茶色い紙袋に入ったポップコーンを食べながら、小さいパックの牛乳を飲んでいた。その二人の交わす会話の中に「あの頃はポップコーンとミルクがあればご機嫌だった」みたいな感じのセリフがあって、「ええ〜っ!」と思った。
自分の中の黄金コンビ、ポップコーンとコーラじゃなくて、ポップコーンとミルク?
銀幕の中の二人は美味そうに、昔を懐かしみながらその組み合わせで食べて飲んでいた。そして優作信者である若造としては、映画を見終わった後にすぐに試してみくなった。さすがに映画館の売店で牛乳を買うのも気恥ずかしかったので、ポップコーンだけを買って、スーパーで映画と同じようなパックの牛乳を買った。ついでに気分を出そうと、近くの公園に行き、芝生の上でその組み合わせを試してみた。
ポップコーンをひとつまみ口に放り込んで、ストローで牛乳を飲んでみる。するとなんと、塩味のポップコーンが、牛乳の甘みを引き立たせて美味い!してみれば、バターと塩で味つけされたポップコーンと、牛乳の取り合わせが悪いはずがない。コーンポタージュスープを考えれば納得できると思う。
映画から得た意外な驚きが嬉しくて、ポップコーンを食べながらニヤニヤしている姿は、端から見たらかなり怪しかったに違いない。
コーラとの取り合わせも捨てがたいが、これもなかなかいけると思う。ちょっと話してもなかなかわかってもらえない事が多いのだが・・・。
この数年後にコーラにミルクを入れた「コーラ・カウ」という飲み物に出会って驚いたのだが、またそれは別の機会に。

