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フル・フロンタル
テーマ:エンタメ
2009/04/21 00:38

スティーブン・ソダーバーグが、撮影日数18日、予算200万ドルでどんな映画が出来る上がるのか実験したような作品。逆に言うと、9000万ドルもかけなくても、そこそこおもしろいものが作れる可能性を示した作品とも考えることができる。
ソダーバーグは、「フル・フロンタル」を撮影するにあたって10のルールを参加する条件として役者に提示した。それは、撮影は全編ロケで行なう、衣装は自分で選び、自分でヘアメイクすること、食事も持参すること、トレーラーハウスは使わないこと、など低予算で制作するための条件と演技面でのアドリブを推奨するなど役者の自主性を尊重したものだった。その条件に応じたのが、ジュリア・ロバーツ、キャサリン・キーナー、デヴィッド・ドゥカヴニーなど。さらに、ブラッド・ピットも本人役で出演したり、「イギリスから来た男」のテレンス・スタンプも劇中のシーンそのままで交錯して出演したりしている。ジョークのような実験のようなさまざまな仕掛けがさりげなく配置されています。
編集でもかなり好き放題やってます。基本的には、ワンシーン・ワンカットの長回し撮影だ、といいながらも、切るべき箇所でないところを切ってわざとぎこちなくつないだり、シーンとセリフをずらしたり、いろいろ過激な編集をしてます。さらに、「フル・フロンタル」には「ランデヴー」という劇中劇が挿入されているわけだが、「ランデヴー」のシーンはフィルムで、それ以外はデジタルビデオで撮影して、画質に変化を与えています。それが交錯して編集されているため、一瞬、「ランデヴー」のほうを見ているような錯覚を起こしたり、なかなかややこしい構成になってます。これらすべて、ソダーバーグなりの意図や狙いがあると思うのですが、ここまで好き放題やられると見る側も賛否が分れるだろうな、と思いますが、ソダーバーグはそれも承知の上で、予算200万ドルで作るから大ヒットしなくてもいいんだよ、と言ってました。彼の映画実験に大スターたちがギャラをけずって賛同した作品とも言えます。
ソダーバーグ監督が言うには、「フル・フロンタル」は「オーシャン11」と同じ時期に作ったもので、対比させたものでもある、また、デビュー作「セックスと嘘とビデオテープ」の延長線にある作品である、とも言っている。確かに、それぞれ苦悩を抱えた屈折した登場人物の群像劇という面では、共通するものがある。(2004.08.01 Sunday)
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